2006年度第2回例会129日(土)

受付開始 12:30〜
研究報告 13:00〜17:00

場所: 流通経済大学新松戸キャンパス 202教室
    (千葉県松戸市新松戸3-2-1)
        会場へのアクセス:JR常磐線・武蔵野線 新松戸駅下車 徒歩4分

報告T 小島浩之(東京大学大学院経済学研究科助手)
発表題目:東京大学大学院経済学研究科所蔵の古貨幣・古札について


発表概要:東京大学大学院経済学研究科では多数の貨幣と紙幣を所蔵している。この
うち貨幣はコレクションの半数を中国のものが占めている。このコレクションの質は
我国有数と言われながらも、これまであまり知られていなかった。そこでこのコレク
ションを今後の歴史学研究に生かすべく、今年度、科学研究費補助金研究成果公開促
進費を得て、データベース化の作業に着手している。本発表ではこのコレクションの
概略や今回の作業において知り得た情報等を報告する。出席者各位の御高批をお願い
したい。
司会:江村治樹(名古屋大学教授)

報告U 谷口建速(早稲田大学文学研究科博士課程)
発表題目:長沙走馬楼呉簡における穀物簿と穀倉業務

 
発表概要:1996年に湖南省長沙市で出土した走馬楼呉簡には、倉庫業務に関わる簿籍
簡牘が多数含まれ、収入・支出や運輸など当時の地方財政の諸相について見地を与え
てくれる。報告者は先に、これらの体系的な検討の基礎として穀倉関係簿の整理・分
類作業を試み、「月旦簿」などいくつかの簿については、全体像や性格を想定した。
本報告では、こうした整理作業を通じて得られた情報を基に、登場する諸官の機能や
関係について検討したい。
籾山明(埼玉大学教授)

報告V 小曽戸洋(北里研究所教授)
発表題目:馬王堆医帛(『足臂十一脈灸経』『陰陽十一脈灸経』『脈法』『陰陽脈死
候』『五十二病方』)の形態復元に関する新知見


発表概要:馬王堆三号漢墓からは多くの医学関係の帛書竹簡が出土したことは周知の
とおりである。『足臂十一脈灸経』『陰陽十一脈灸経』『脈法』『陰陽脈死候』の釈
文は『文物』1975年第6期、『五十二病方』の釈文は『文物』1975年第9期に発表さ
れ、また1985年3月、医学帛書を収載した決定版『馬王堆漢墓帛書〔肆〕』が中国か
ら刊行された。しかし、『馬王堆出土文献訳注叢書』を編刊する過程で本格的な解読
に取かかったところ、私はこの該書の写真版を見て大いに不審に思った。この帛書は
折り畳まれていたというが、具体的にどのように折り畳まれていたのか。折り畳まれ
ていたのなら、周囲から腐蝕していくはずであるが、それにしては中国発表の138〜
149行や298〜303行などの断片は不自然である。また「附残片四張」の存在も奇妙で
ある。中国の写真の配列には誤りがあるのではないか。このままでは釈文できない。
この本はいったいどんな構造の書物であったのかをまず復元することが必須と私は考
えた。どうすればよいか。よく見ると多くの帛片には、重なりあっていた相手の帛の
字の墨が鏡文字として写っている。これを徹底的に調査し、解析すればこの書の形態
がわかるのではないか。こうして考えること5年。ついにこの書の構造の謎を解き明
かし、長年の留飲を下げることができた。ここにその結果を披露する。 (スペース
の関係で、概要は事務局で編集しました)
司会:真柳誠(茨城大学教授)

 ☆参加費(資料代)500円
 ☆非会員の来聴を歓迎します

 主催  中國出土資料学会
 連絡先 〒113-0033 
  東京都文京区本郷7−3−1
  東京大学文学部 池澤研究室
 Tel   03-5841-3767(直通)
 Fax  03-5841-3815
 E-mail  syutsudo@l.u-tokyo.ac.jp
(事務局連絡先が変更になりましたので、ご注意ください)